喫煙に関する意識は昭和・平成・令和を通して大きく様変わりしています。かつては、家庭だけでなく職場や電車においても喫煙が許されていました。しかし、平成になり、受動喫煙の健康被害が知れ渡るようになると、世界的にも禁煙が進められてきました。日本でも喫煙に関するさまざまな取り組みが行われています。政府の禁煙への動きや企業の対策、さらに職場を禁煙にすることによるメリットについてご紹介いたします。
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日本における喫煙の法規制
分煙化や禁煙化など日本でも受動喫煙に対する取り組みが行われていましたが、世界の流れと比較すると遅れをとっていました。しかし、2020年に開催予定だった東京オリンピックに向けて、さらなる受動喫煙対策を取るべく、法規制が進められました。それが、2020年4月1日から施行される「改正健康増進法」です。今まで、努力義務とされていた受動喫煙への取り組みを義務化し、従来のものよりも一段厳しくなりました。
学校や病院、行政機関などの第一種施設に対しては、「敷地内禁煙」を、事務所や工場などの第二種施設には「原則屋内禁煙」を求めるものです。第二種施設では、喫煙のための専用室を設けることが許可されていますが、煙の流出防止措置などの基準を満たさなければなりません。
禁煙にすることのメリットとは?
禁煙の実施は、喫煙者本人にだけでなく、企業にとってもメリットがあります。その代表的なものについてご紹介します。
労災リスクを軽減できる
ニコチン中毒になっている場合、体内のニコチン濃度が低くなると、イライラしたり、落ち着きがなくなったりという禁断症状が現れます。従業員がニコチン中毒になっていた場合、就業中に集中力がなくなることで、事故などの労災リスクが高まってしまうのです。非喫煙者と比べ、中度の依存者は労災発生リスクが2倍近くもあります。
職場を禁煙にすることで、将来的にこうしたリスクを軽減することができるのです。
職場の人間関係が改善する
喫煙者は喫煙のために自席を離れることもしばしばあります。しかし、この行為は非喫煙者からは厳しい目が向けられていることを忘れてはいけません。休憩時間の違いなど不平等感を生み、人間関係の悪化や、職場の士気の低下を招く原因ともなってしまうのです。あらかじめ、職場を禁煙にしておくことで、こうしたトラブルを未然に防ぐことができます。
まとめ
たばこは喫煙者本人だけでなく、周囲の人の病気へのリスクを高めてしまうものです。2020年に世界的に大流行している新型コロナウイルスでも、非喫煙者に比べて喫煙者の方が重症化リスクは高いとされています。法制化を機に、社内の禁煙化を進めてみてはいかがでしょうか。
禁煙環境を整え、社内の人間関係を円滑にすることで、ストレスを減らし労働災害のリスクも下がります。加えて健康にも良いのですから、禁煙がもたらす恩恵は素晴らしいものですね。