業務中もしくは通勤中に、交通事故にあったら

業務中や通勤途中に交通事故に遭った場合、労災保険を利用することができます。
労災保険を利用すると、さまざまなメリットを得られます。
今回は、そのメリットについて、解説します。

交通事故で労災認定される可能性があるケース

  • 営業車を運転していて交通事故に遭った場合
  • 営業で外回りをしているときに車にはねられた場合
  • 会社の許可を受けてマイカー通勤をしている途中で交通事故に遭った場合

労災保険に加入しているのは、会社などに勤務している労働者です。株式会社だけではなく、その他の法人や個人事業者のもとで働いている場合にも労災保険に入っています。
これに対し、自営業者やフリーランスの人は労災保険に加入していないので、労災認定を受けることはできません

労災保険で受けられる給付

労災保険とは、労働者が業務中や通退勤の途中で病気やケガをしたときに、さまざまな給付を受けられる保険です。事業者には人を雇い入れるときに労災保険に加入させる義務があるので、会社や個人に雇用されている方は、みなさま労災保険に加入しています。
先程1.にて記述したように、業務中や通退勤の途中で交通事故に遭った場合、労災事故として認定されるので、以下のような労災保険による給付を受けることができます。

 療養(補償)給付
必要な治療費の給付を受けられます。
 休業(補償)給付
労災事故に遭って休業した場合に、4日目から休業補償を受けることができます。
 傷病(補償)年金
療養を開始してから1年6ヶ月が経過しても完治せず、傷病等級に該当するときに給付を受けることができます。
 障害(補償)給付
後遺障害が残った場合に給付を受けることができます。
 介護(補償)給付
介護が必要になった場合に給付を受けることができます。
 遺族(補償)給付、葬祭料(葬祭給付)
被害者が死亡した場合に、遺族が給付を受けることができます。

労災保険で通院するメリット

労災保険を使って通院すると、治療費の全額を労災保険から支払ってもらうことができます。もし、治療期間が長引いても、業務時間に外・通勤以外で交通事故に遭った時のように保険会社が治療費を打ち切るおそれがありませんし、費用のことを気にせずに、十分な医療を受けることができます
また、自賠責の傷害の保険金を、治療費以外の部分(入通院慰謝料など)に充てることができるので、自賠責保険から支払われる保険金が大きくなります。加害者が任意保険に加入していない場合などには、メリットが大きくなるでしょう。
さらに、自賠責保険には被害者の重過失減額がありますが、労災保険にはそのような制度はありません。被害者に大きな過失があっても治療費を全額出してもらうことができるので、有利です。

労災保険で休業損害を受けとるメリット

労災保険から休業補償を受けとる場合、受けとった分は、自賠責保険の休業損害から減額されます。なぜならば、両方を受け取ると、1つの損害についての2重取りになってしまうので、両方受け取ることはできません。ゆえに、休業損害を先に受け取ると休業補償は受け取れませんし、休業補償を先に受け取っていると、その分休業損害が減額されます。
2重取りは認められないということであり、このことを損益相殺と言います。
ただし、労災の休業補償給付のうち、基礎日額(基礎収入)の20%相当の「休業特別支給金」については、損益相殺の対象になりません
つまり、労災の休業補償には、基礎収入の6割の休業補償給付と2割の休業特別支給金に分かれているのですが、2割の休業特別支給金については交通事故の休業損害とは別に受け取ることができます。
そこで、交通事故の休業損害と労災の休業補償を受け取る場合、実際の基礎収入の120%分の休業補償を受けられることになります。
また、労災の休業補償には「過失相殺」「重過失減額」が適用されないので、被害者に過失がある場合には労災認定を受けるメリットが大きくなってきます。

以上のように、労災給付を受けると、被害者にとってさまざまなメリットがあります。アジア総合法律事務所でも、労災申請のサポートを行っていますので、心当たりのある方は、是非とも一度、ご相談ください。